食品パッケージに同封されている乾燥剤、そのまま捨ててはいませんか?
実は、これらの乾燥剤は再利用可能です。また、使用済みの乾燥剤も、適切に加熱することで吸湿能力を再び復活させることができます。
この記事では、再利用可能な乾燥剤のタイプ、効果を再び活かす方法、そしてクリエイティブな再利用アイデアをお届けします。
乾燥剤を上手に再利用できれば、身の回りのちょっとしたモノの除湿剤になるので、ぜひ参考にしてくださいね。
再利用可能な乾燥剤の種類
乾燥剤はいくつか種類が存在し、その中には再利用が可能なタイプとそうでないタイプがあります。
今回は、再利用可能な乾燥剤に焦点を当てて詳しく解説していきます。
シリカゲル……二酸化ケイ素が成分で、水分を吸着することで空気を乾燥させます。加熱すると吸湿効果が復活するので乾燥剤として再利用できます。
石灰……成分は強アルカリ性の酸化カルシウム(生石灰)で、低コストにもかかわらず高い吸湿力なのでよく使用されている乾燥剤。1度吸湿すると消石灰に変化するため、乾燥剤として再利用はできません。
再利用不可能な脱酸素剤
脱酸素剤は、食品保護のために酸素を吸収するタイプの乾燥剤です。
この乾燥剤の主成分は、使い捨てカイロで使用される還元鉄の粉であり、再利用はできません。ただし、脱酸素剤がパッケージされていた食品の賞味期限内であれば、他の食品に移して使用することで、その効果を最大限活用できます。
使用済み乾燥剤の効果を復活させる方法
乾燥剤(シリカゲル)が湿気を吸収しなくなった場合、加熱することで再活性化させることが可能です。
シリカゲルには湿気を示す青色の粒が含まれており、これは吸湿状態を目で見て確認できるようにするためです。
使用済みで湿気を吸収したシリカゲルは青からピンクに色が変わります。これを加熱してピンクから再び青色に戻すことで、吸湿力を回復させることができます。
フライパンで加熱する
シリカゲルを袋から取り出し、フライパンに入れます。
弱火で焦げないようゆっくりと加熱し、粒が青くなるまで炒めます。
青くなったら火から下ろし、粗熱が取れるまで置いてから密封容器に移しましょう。
電子レンジで温める
シリカゲルを復活させるもう一つの方法は、電子レンジを使用することです。シリカゲルを耐熱容器に入れ、電子レンジの解凍モードで加熱します。
ただし、加熱しすぎると焦げる恐れがあるため、数分ごとに様子を見てください。特に量が多い場合は、均等に加熱されずムラができることがあるので、1袋ずつ加熱することをおすすめします。
天日干し
シリカゲルを再活用する一つの方法として、天日干しがあります。晴れた日に湿気が少なければ、時間がかかるものの安全に行うことが出来ます。
ただし、夕方には湿度が上がるため、14時頃には取り込むのが良いでしょう。さらに、風が強い日はシリカゲルが飛ばされる恐れもあるので、その点にも気をつけてください。
衣服乾燥機
衣服乾燥機を使用して大量の乾燥剤を一気に復活させる方法が便利です。衣服乾燥機の温度設定は焦げつきを防ぐほどに抑えられているため、安心して使用できます。
シリカゲルを網目が細かいネットや布袋に入れ、通常の乾燥サイクルで回すだけで均等に乾燥させることが可能です。この方法だと、乾燥機の回転によってシリカゲルがムラなく乾燥します。
加熱後は密閉容器で保管
シリカゲルの粒が青に変われば、その吸湿能力が回復したことを意味します。
ただし、回復した乾燥剤を開放状態で放置すると、周囲の湿気を吸収してしまい、再び効力を失います。
したがって、乾燥剤は空気が通らない密閉容器に入れて保管することが重要です。
乾燥剤(シリカゲル)の再利用方法をご紹介
復活したシリカゲル乾燥剤は、食品だけでなく靴や衣類の除湿にも使えます!
再利用する際には、お茶のティーバッグやだしの袋などの不織布のパッケージに入れて利用すると便利です。
粉類の除湿剤
粉状の調味料や食品は湿気るとダマになって使いづらくなってしまいますが、復活させた乾燥剤がここで役立ちます。
- 砂糖や塩
- コーヒーの粉
- 小麦粉などの粉類
- カレー粉
- 海苔
- そうめんなどの乾麺
- 粉薬
特に粉状の食品や調味料に乾燥剤を加えておくと、固まった状態も2~3日でサラサラに戻ります。
また、海苔や乾麺などを湿気から守るためには、チャック付きのフリーザーバッグに乾燥剤を入れて保管すると良いでしょう。
靴箱の除湿剤
一日履いた靴は、冬でも汗で湿気てしまうことが多いです。このまま靴箱に入れてしまうと、カビや不快な臭いの原因になりがちです。また、靴箱内の湿気がこもりやすくなります。
そのため、湿気が抜けるまで、靴箱にしまわずに玄関に置いて乾燥させるのがおすすめですが、玄関に靴が並んでいると見栄えが悪くなってしまいます。
解決策としては、靴箱内に乾燥剤を置いておくことで、除湿剤の役割を果たすことができます。特に雨に濡れた靴は、靴の中に乾燥剤を入れておくだけで乾燥してくれるため、オススメの方法となっています。
衣類の湿気予防に
クローゼットやタンス内は湿気が溜まりやすい場所で、カビやダニの発生につながりがちです。これを防ぐために、クローゼットなどに乾燥剤を置くことが非常に有効です。
また、オフシーズンの衣服を保管しているタンスにも乾燥剤を配置することで、湿気対策ができ、衣類を長持ちさせることが可能です。再利用した乾燥剤を活用して、大切な衣類を湿気やカビから守りましょう。
カメラレンズなど機密機器の除湿剤
一眼レフカメラや望遠鏡などの精密機器は、湿気に非常に敏感です。特に使用頻度が低い場合、湿気から保護するために乾燥剤を活用すると効果的です。
カメラケースや機器が収納されている場所に乾燥剤を置いておくだけで、湿気を適切にコントロールできます。これにより、定期的なメンテナンスの手間を減らすことができるため、使用しない期間が長い精密機器の保護に最適です。
水没した携帯電話の乾燥に
防水機能がついていない携帯をうっかり水の中に落としてしまった時、乾燥剤が役に立ちます。
諦めて「もう買い替えだ……。」となる前に、ちょっと待って!乾燥剤の中に入れて乾燥させることができるか試してみましょう。
水没したらすぐに大まかな水分を拭き取り、乾燥剤の中に携帯電話を入れて、2〜3日間放置するだけです。
これにより電話電話の内部まで乾燥させることができるので、もしかすると復活するかもしれません。試してみる価値は十分にあると思いますよ。
化粧品の劣化防止
化粧品、特にパウダー状のものは湿気に非常に弱く、湿度の高い環境下では固まったり品質が劣化することがあります。湿気が化粧品の品質を損なわないようにするために、乾燥剤の活用がおすすめです。
化粧品を乾燥剤と一緒に保存することで、湿気を効果的に防ぎ、化粧品の劣化を防ぐことができます。特に化粧ポーチに乾燥剤を入れておくと、持ち運び中も化粧品を保護できるため、状態を良好に保つのに役立ちます。
ドライフラワーに利用
ドライフラワーは通常、自然乾燥によって作りますが、乾燥剤を活用するとより迅速に仕上げることが可能です。ドライフラワーにしたい花を密閉容器に入れ、そこに乾燥剤も入れます。
その後、容器を冷暗所に保管し、約1週間放置するだけで、簡単にドライフラワーが完成します。この方法だと自然乾燥時よりも速く、また均一に乾燥させることができるため、色鮮やかで均整の取れたドライフラワーを得ることができます。
石灰成分の乾燥材は園芸用に
石灰乾燥剤は再使用が不可能と思われがちですが、実は違った形で利用する方法があります。
具体的には、この石灰乾燥剤を土のpH値を上げ、アルカリ性に調整する手段として使用できます。これにより、小規模な園芸活動において、石灰乾燥剤を肥料として有効利用することができます。大規模な農地には適していませんが、家庭のプランターでの利用には適しています。
使用する際には、石灰乾燥剤を土にまぜ、しっかりと混合させるだけです。ただし、水と反応して発熱する可能性があるため、手袋を着用するなどして安全に扱う必要があります。
※種まきの2週間前までには石灰を混ぜて準備しておいてくださいね。
楽器のケースに入れる
木管楽器や弦楽器は湿気に弱いため、湿気対策が必要です。これらの楽器は、ケースに入れていても内部に湿気が溜まることがあります。そのため、楽器を湿気から保護する一つの方法として、ケース内に乾燥剤を置くことが推奨されます。
多くの人が楽器ケースが湿気を完全に防ぐと誤解しがちですが、実際にはケース内にも湿気が溜まることがあります。貴重な楽器を長持ちさせるために、乾燥剤を使用して湿気を管理することが重要です。
乾燥剤を再利用する時の注意点
多くの人は、食品や衣類に含まれる乾燥剤が安全であると考えがちですが、実際には取り扱いには注意が必要です。乾燥剤の再利用に関するいくつかの注意点についてまとめました。
石灰タイプの乾燥剤は火傷に注意
石灰乾燥剤は水分を含むと発熱する可能性があるため、使用時には素手で触らないように注意しなければいけません。皮膚や服などに付かないようにもしましょう。
万一、石灰乾燥剤に触れてしまった場合でも、慌てることはありませんが、速やかに水で洗い流してください。もし皮膚に赤みや腫れが見られる場合は、病院を受診するようにして下さい。
生石灰と消石灰を区別する方法の一つは、生石灰が粒状であるのに対し、消石灰が粉末状であるという見た目の違いです。ただし、確実に判断するためには、キッチンなど湿気の多い場所に生石灰を数日間放置して、しっかり吸湿させて消石灰に変化させた後で再利用するのが良いでしょう。
子供が誤って乾燥剤を飲み込んだ場合の対処法
小さなお子さんやペットがいるご家庭では、誤って何かを飲み込む危険性があるため、注意が必要です。そのため、子供やペットが誤飲しないように、手の届かないところに置いておくようにしましょう。
もし乾燥剤を誤飲してしまった場合でも、直ちに重大な健康被害が発生するわけではありませんが、安全を確保するためには、速やかに医師の診察を受けて適切な指示を仰ぎましょう。
シリカゲルの場合
シリカゲルを誤飲した場合、中毒の危険性は低いですが、念のため水や牛乳を与えて様子ををみましょう。
もし口内に赤みや腫れなどの症状が現れた場合は、すぐに医療機関へ。
生石灰の場合
生石灰に触れた場合、もし舐めただけならば、卵白や牛乳(なければ水)を飲ませ、吐かせずに様子を見てください。
もし舐める以上の量を摂取した場合、同様に卵白や牛乳(なければ水)を飲ませ、吐かせずに直ちに病院に行ってください。
目に生石灰が入った場合は、15分以上水でしっかりと洗眼し、その後眼科を受診してください。
皮膚に付着した場合も、15分以上水で洗い流した後、痛みや赤みなど異常がみられるときは皮膚科を受診してください。
乾燥剤の捨て方にも注意
乾燥剤を廃棄する際は、通常可燃ゴミとして捨てることができますが、自治体によっては不燃ゴミで処理する必要がある場合もありますので、地域のゴミ分別ルールに従ってください。
繰り返しになりますが、石灰乾燥剤は水を含むと発熱し、火災の原因となることがあります。そのため、生ゴミなどの水分を含むゴミと一緒に出すときは特に注意が必要です。安全にごみを出すために、これらの点をしっかりと確認しましょう。
まとめ
いつもなら捨ててしまうことの多い乾燥剤ですが、シリカゲルの場合は加熱して水分を除去することで再利用可能であることがわかりました。
また、石灰乾燥剤は異なる形での再活用が可能で、例えばガーデニングの土に混ぜて肥料として利用することができます。これらの乾燥剤は再利用する価値があるため、捨てずに保管しましょう。
乾燥剤を再利用アイデアとして1番の驚きは水没した携帯電話に使えるというところです。これにより、再利用した乾燥剤で買い替えの手間や費用がかかるのを解決できたらラッキーですよね!
シリカゲルは色が鮮やかなため、小さな子どもやペットが興味を持って口にしてしまう危険性もあります。そのため、子どもやペットの手の届かない場所に保管し、万一、誤飲してしまった場合には医師の指示を仰ぐか先に述べた対処法を参考にしてみてくださいね。
以上、「使用済み乾燥剤を復活させる方法と再利用する方法をご紹介!」についてご紹介しました。